ベルリンシステムの作り方/7
添加剤
ベルリンシステムでは、頻繁な換水を行なわず、不足する成分を添加剤で補います。
サンゴにとって必要な元素は、プロテインスキマーによってこし取られ、サンゴによって
吸収され、日々失われていきます。代表的なものを添加剤で補給し、補いきれないものは
換水によって補充します。<カルシウム>海水中の理想値400ppm
サンゴの骨格を形成するのに必要不可欠で、ソフトコーラルにも、石灰藻にも全ての生物に
必要です。
添加する最も一般的な元素で、添加方法もいろいろです。
(1)飽和水酸化カルシウム溶液による添加(カルクワッサー)。水酸化カルシウムを水に溶かし
上澄み液を飼育水に滴下します。飽和溶液のpHは、理論値で12.4ありますので、短時間
で水槽に流し込むと、生物に影響がでます。また、水溶液を一気に流し込んだり
水酸化カルシウムの粉末を直接海水に溶かしたりすると、炭酸カルシウムとなって
沈殿をおこしますので、やってはいけません。かえってカルシウム濃度が下がって
しまいます。水酸化カルシウムは、炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムとなりますので、
水に溶かすときも、容器に空気が入っていない状態でシェイクします。
この水酸化カルシウムによる添加が最も一般的です。水酸化カルシウムは薬局で手に
入ります。500gのビンで、1500円前後だと思います。試薬には等級(純度)がありますので
一番良いものの方が安心です。
(2)塩化カルシウム溶液による添加。市販されている液体のカルシウム添加剤は、これに
あたります。水酸化カルシウムは水溶液では保存がきかないので、塩化カルシウムが
使われていると思います。塩化カルシウムはよく水に溶けるため(溶解度74.5g/100g水20度)
簡単にカルシウム濃度を上げることが出来ますが、たくさん溶かし込んでも、炭酸カルシウム
として沈殿してしまいます。その結果KHが下がります。
また、塩化カルシウムはサンゴが吸収できるカルシウムイオンとして存在しにくいという話
を聞いた事があります。
塩化カルシウムはできる限り使用しないほうが安全、という意見が多いです。
(3)カルシウムリアクターでの添加。カルシウムリアクターは、サンゴ砂(又は炭酸カルシウム)
を入れた容器内に、飼育水と一緒にCO2を送り込んでカルシウムを溶かし、カルシウム濃度を
上げる道具です。カルシウムと共に様々なミネラルの補給もでき、最近使用するキーパーが
増えてきています。サンゴ飼育には必要不可欠な機器です。
ただ、カルシウムリアクター本体に加え、 CO2コントロールシステムが必要であったりして少々
高価なものになります。自作できれば安くできます。
カルクワッサーは、サンゴに害のあるリン酸をリン酸カルシウムにしてプロテインスキマーで
排除したり、沈殿させることができますが、カルシウムリアクターではリン酸を取り除くことは
出来ません。できればカルクワッサーとカルシウムリアクターの併用が望ましいと思います。
カルシウムリアクターの使用により、KHを安定させることができます。カルクワッセル滴下の詳しい方法
1L~2Lの容器を用意します。素材はポリスチレンなどが加工し易いと思います。フタがしっかりと
締まるものでないと困ります。ペットボトルを使う方もいます。
容器の側面に穴を開けます。チューブを接続する為です。場所は底面から1~2cmの所です。
水酸化カルシウムの溶けきれなかった分が沈殿して残るのでそれを水槽に入れないように、1~2cm分
溶液が残るようにします。滴下する速度を調節するコックとチューブを穴に接続します。
これで装置は完成です。
容器に水酸化カルシウムを小サジ2~3杯入れます。水酸化カルシウムの溶解度は水温25度で1.25グラム
です。粉末は溶けきってしまうぐらいの量ではいけません。飽和になるように多めに入れます。
飽和状態になっていない溶液はCO2と反応しやすくなります。
純水を容器いっぱいに入れます。
フタをしてシェイクします。このとき容器内に空気が入っていると、水酸化カルシウムが二酸化炭素と
反応して炭酸カルシウムになるので、できる限り空気を入れないようにします。容器にビー玉のような
ものを入れておくと混ざりやすくなります。シェイクしたら2~3時間放置して、不溶分が沈殿して
透明になるのを待ちます。透明になったら、1~2秒に一滴ぐらいのスピードで滴下します。サンプが
ある場合はそこへ、ない場合は直接水槽へ、水流のある所へ滴下します。水酸化カルシウム溶液は
強アルカリなので、滴下する時間帯はpHの下がる消灯後が良いと思います。<ヨウ素/Iodine>海水中の理想値0.05ppm
紫外線の殺菌作用に対する抵抗力を助け、繁殖を促進します。
ヨウ素の添加は、市販の液状のものを使うか、自作します。自作の場合は、ヨウ化カリウムを
使います。ヨウ素は水槽内で早くなくなるので、市販のヨウ素添加剤では、3種類ほどのヨウ素を
時間差で溶け込むような工夫がされているものもあります。ヨウ素の入れすぎはかえって害に
なるので、注意が必要です。<ストロンチウム>海水中の理想値9ppm(モリブデン0.01ppm)
骨組織の発達に必要です。
これも、市販の添加剤か、自作します。自作の場合は塩化ストロンチウムを使います。
ストロンチウムの添加剤は、モリブデンと一緒になっている場合が多いです。モリブデンは
褐虫藻に必要な元素です。ストロンチウムの過投入はKHを下げ、pHを不安定にします。<鉄/マンガン>海水中の理想値、鉄0.01ppm/マンガン..?
褐虫藻、石灰藻、海藻などの成長促進、健康維持に必要。<ビタミン>
サンゴにビタミン、ミネラルを補給するために必要らしいです。KENTのCoral-Viteの成分表を
みると、トレースなみにいろんなものが入っています。カルシウムからヨウ素、鉄、マンガン、
ストロンチウム、モリブデン、バリウム、ホウ素など、まだまだ入っています。<トレースエレメント>
サンゴに必要な成分を総合的に揃えてあります。まずこれをベースに使用して、不足分を上記の様に
単品で補います。
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